フェラーリ 812スーパーファストは、6.5L自然吸気V12エンジンをフロントに搭載した2ドアクーペで、フロントエンジンV12フェラーリの集大成とも言えるモデルです。800psを発生する高回転型V12と、後輪操舵や高度な電子制御を組み合わせることで、従来のV12GTとは一線を画する俊敏なハンドリングを実現しています。ロングツーリングを快適にこなしつつ、サーキットレベルのパフォーマンスも楽しめる、現代版『フロントエンジンV12グランドツアラー』です。
01.
この車が向く人 / 向かない人
向く人
- 自然吸気V12の音と反応を重視する人
- F12より新しく、12チリンドリより中古で探しやすい世代を見たい人
- 整備履歴と保管環境を重視して選べる人
向かない人
- 車幅や駐車環境に制約が大きい人
- 維持費を小さく見積もりたい人
- タイヤ、ブレーキ、電装の点検費用を避けたい人
フェラーリ 812スーパーファストは、自然吸気V12を前に積むフェラーリGTを現代的な速さで味わいたい人のための車です。6.5L V12、7速DCT、後輪駆動を組み合わせ、F12ベルリネッタの後継として登場しました。選ぶ価値があるのは、フェラーリらしい高回転V12と長距離を走れるGT性を両方求める人です。逆に、街中で扱いやすいサイズや維持費の軽さを優先する人には向きません。
02.
買う前の最重要チェック
確認ポイント
- 公道では性能のごく一部しか使えません。
- タイヤやブレーキなどの消耗品コストが高く、走らせ方で差が大きいです。
- ボディサイズが大きく、日本の道では取り回しに気を使います。
- 電子制御が高度で、故障時の診断・修理費用が高額になりがちです。
- 油脂管理や冷却系のメンテナンスを怠ると、トラブルリスクが高まります。
- 後輪操舵や電子制御サスなど、警告灯点灯時の診断が複雑です。
- ハード走行個体ではブレーキや足回りの負担が大きい可能性があります。
812で最初に見るべきなのは、走行距離そのものよりも、どのように保管され、どの店で点検されてきたかです。V12エンジンは魅力の中心ですが、タイヤ、ブレーキ、冷却系、電装、サスペンション、ステアリングまわりの状態で購入後の総額は大きく変わります。
特に確認したいのは、正規点検記録、タイヤ製造年、ブレーキ残量、ホイール傷、下まわり、バッテリー管理、警告履歴です。車体が大きく、速度域も高い車なので、見た目がきれいでも、消耗品がまとめて残っている個体は避けるべきです。
03.
弱点・故障(注意点)
弱み・注意点
トラブル傾向
- カーボン系オプション装備の補修・交換は高額になりがちです。
812は比較的新しい世代ですが、維持が軽い車ではありません。V12周辺の熱、電装、センサー、足まわり、油脂類、タイヤの管理は重要です。カーボンセラミックブレーキは残量と表面状態を必ず確認します。交換が必要になると、購入時の値引きでは吸収しにくい金額になります。
また、フロントミッドシップのGTとして前後重量配分は考えられていますが、低速域では車幅とノーズの長さが気になります。日本で使うなら、駐車場の幅、段差、機械式駐車場の制限、保険料まで購入前に確認する必要があります。
04.
維持費の構造
- 年間の目安: 年間200〜400万円以上を覚悟
- 維持費(年): 約45万円(目安)
- 購入価格込みで考えると、5年総額:購入価格+1500万円〜規模を想定できない場合は維持途中で資金計画が苦しくなりやすい車です。
メンテナンスの要点
- タイヤ製造年、ブレーキ残量、バッテリー管理、正規点検記録を優先して確認します。
- V12周辺の熱、冷却、油脂類、電装は購入前点検で必ず確認します。
- 低走行個体でも長期保管によるゴム類と電装の劣化を見ます。
812の維持費は、通常整備、タイヤ、ブレーキ、車検、保険、保管環境を分けて考えます。走行距離が少ない個体でも、タイヤやバッテリー、油脂類は時間で劣化します。動かしていない車ほど安心というわけではありません。
年間費用は使い方で大きく変わりますが、余裕を持った整備予算を見ておくべきです。V12フェラーリは相場価値も大きい一方で、安い個体の理由が整備未実施や消耗品の先送りであることもあります。購入価格ではなく、購入後2年の総額で比較します。
05.
中古で狙うなら
- 中古相場
- 4500万〜8000万円(相場変動)
- 安全ライン
- 1.5億円〜(個体差・相場変動大)
- 発売年
- 2017
- ボディ
- クーペ
- セグメント
- プレミアムGT
- エンジン
- 6.5L V12 自然吸気
- 駆動
- FR
- トランスミッション
- 7速DCT
- 燃料
- ハイオク
- 新車価格
- 当時:4300万〜5000万円(参考)
主要スペック(参考)
- 最高出力
- 800ps
- 最大トルク
- 718Nm
- 燃費
- 約5〜8km/L(実用域目安)
中古で見るなら、色やオプションより先に履歴です。正規記録が残り、保管環境が明確で、タイヤとブレーキの状態が説明できる個体を優先します。低走行でも長期保管で動かしていない個体は、油脂、ゴム類、電装の点検を前提にします。
F12ベルリネッタと比べると、812はより速く、電子制御も新しい一方で、価格帯と維持費は上がります。12チリンドリと比べるなら、812は自然吸気V12を比較的現実的に中古で検討できる世代として見ると判断しやすいです。
06.
比較対象(3台以内)
同じ予算帯・同じ使い方で迷いやすい候補を、最大3台まで。
同時に見る候補は、フェラーリ F12ベルリネッタ、フェラーリ 550マラネロ、フェラーリ ローマです。V12の迫力を重視するなら812、古典的なFRフェラーリの落ち着きを重視するなら550、日常性と新しさを重視するならローマという分け方になります。
07.
関連リンク
購入前に確認しておきたい関連記事を。
812を検討するなら、輸入中古車の見方、税金と諸費用、維持費の考え方を先に確認した方が安全です。フェラーリV12フロントエンジンの流れを読んでから個体を見ると、812の位置付けも理解しやすくなります。
