ロングノーズ・ショートデッキ
ロードスターが開いた道で人を誘う車なら、FD3Sは薄い刃物のように集中を求める車である。

CAR BOUTIQUE JOURNAL
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HERITAGE / 系譜
ロータリーと軽さ。FD3Sが貫いた引き算の工学を辿る。




CHRONICLE

ORIGIN / 01
FD3Sは、ロータリーを中心に車全体を作った。
13B-REW型ロータリーはもちろん主役である。
だが、FD3Sの本質は、ロータリーの小ささを車全体の設計へ反映したことにある。
低いボンネット、軽いノーズ、包まれた運転席。
その低さが、FD3Sの緊張感を作った。

CHAPTER / 02
FD3Sの加速感は、排気量だけでは説明できない。
一基目のターボで立ち上がりを補い、途中から二基目を加える。
小さなエンジンで、広い回転域を使うための仕組みだった。
魅力であると同時に、熱と制御の管理が重要になる繊細な部分でもあった。

CHAPTER / 03
FD3Sは、足し算ではなく引き算で戦った。
GT-Rは四輪駆動と電子制御で路面をつかんだ。
スープラは2JZと大きなボディで余裕を持った。
FD3Sは、軽さ、低さ、ロータリーの小ささで鋭さを作った。
ロードスターが開いた道で人を誘う車なら、FD3Sは薄い刃物のように集中を求める車である。

CHAPTER / 04
Spirit Rは、FD3Sというロータリースポーツの最後を象徴した。
FD3Sは年次改良を重ねながら、出力、足まわり、冷却、内外装を少しずつ磨いていった。
Spirit Rは、ただの限定車ではない。
FD3Sというロータリースポーツの最後を象徴する名前だった。

CHAPTER / 05
FD3Sは、代わりがないから残った。
ロータリーで、FRで、低くて、軽くて、見た目に色気があり、運転には緊張感がある。
この組み合わせは、現代では簡単に作れない。
便利ではない。
合理的でもない。
だからこそ、純度が濃い。

CLOSING / 06
FD3Sは、ロータリーの特性を車全体の形と走りに変えた。
FD3Sは、ロータリーを単なる珍しいエンジンとして使った車ではない。
ロータリーの特性を、車全体の形と走りに変えた車である。
RX-7 FD3Sとは、マツダが引き算で作った、ロータリースポーツの到達点である。
GUIDE
ロータリー、冷却、ターボ制御、過去の改造歴を切り離してはいけない。雰囲気だけで選ぶと維持で苦しくなる。
ラジエーター、ホース、補機、油温対策など、熱に関わる履歴を確認する。
シーケンシャルツインターボは魅力でもあり、点検すべき繊細な部分でもある。
チューニング歴がある個体は、部品だけでなく施工の質を確認する。